田伝むしの農作業

農薬不使用ササニシキができるまで【温湯種子消毒】

苗が育つ条件では密植と高温多湿になりやすいため様々な病気が発生する可能性があります。

実は、病気の発生源の1つは種籾自体です。前の年に田んぼで育っている間に病気に感染して、
その病気を持ったままお米作りの種として使われ、育苗時に菌が増殖して被害が出るのです。

このように種を発生源として広がる病気を種子伝染性病害と言い、
稲ではいもち病、ばか苗病、立枯細菌病などがあります。

病気の発生を防ぐために対策をとらないといけないのですが、
農薬不使用ササニシキでは農薬に頼るわけにはいきません。
農薬の代わりに行うのが「温湯消毒」です。

60℃のお湯に10分間種籾を浸して、熱によって病気の原因となる菌を減らす予防技術で、
温湯消毒は農薬を使用した時と同等の効果があると言われています。
ただしこの方法では60℃のお湯に10分浸すという温度と時間を正確に行う必要があり、
温度が高すぎたり時間が長すぎたりすると種籾の発芽率が悪くなってしまいます。

田伝むしでは「湯芽工房」という温湯消毒を行うための機械を使って60℃10分の温湯消毒を行っています。

11053363_434860226673708_2902372192684968511_o 11044518_434860263340371_2267298621098358051_o 温湯消毒の後はすぐに種籾を冷水で冷やして塩水選や浸種といった工程に移ります。

農薬を使わない種子消毒の方法には田んぼの土を使った「泥消毒」というものもあります。
田んぼの土の中にいる多様な微生物を種と触れ合わせることで、
悪さをする病原菌だけが増えないようにするというものです。この方法もぜひ試してみたいです。
2017-01-12 | Posted in 田伝むしの農作業No Comments » 

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