田伝むしの農作業

農薬不使用ササニシキができるまで【代かき】

耕起作業が終わると田んぼに水を入れ、田植えに向けた準備が始まります。
ハローと呼ばれる作業機をつけたトラクターで土を砕き水となじませる「代かき(しろかき)」と呼ばれる作業です。

代かきは、田んぼを田植えができる状態にする作業であり、除草剤を使わない農薬不使用栽培では草を減らすことを意識して行う作業でもあります。

13221058_589714854521577_9041837373574066468_n 田んぼに水を入れられる時期になったら、地面が隠れるかどうかのひたひたの水位まで水を入れてしばらくそのままにしておきます。そうすると、ヒエやコナギなど水田環境で繁殖する草の芽が出てきて成長します。田んぼに稲がある時はなるべく早く除草をするのですが、この時期は草が生えるのをじっと待ち、その後にトラクターで土を撹拌して草の量を減らそうという作戦です。この1回目の代かきは荒代(あらしろ)と呼ばれ、大きな土の塊を砕き水となじませる作業ですが、田伝むしではここから除草・抑草作業が始まっています。

13133273_588804914612571_2473201087070775183_n 次の代かきは植代(うわしろ)で、田植えをする3日前に行うようにしています。その理由は、とろとろになった土が落ち着くので稲を植えやすいく、植えた後の稲が倒れないからです。この植代も田植えの準備であるとともに除草を意識した作業になり、田植え3日前というタイミングとその時の水深が大事だと考えています。

5月20日以降の田伝むしの田植え時期になると暖かい日も増え、作業をしていると暑いと感じる時もあります。このような温度になると草の発芽や成長も進むので、最初の除草はなるべく早く田植え後1週間以内にはしたいです。ただし、田んぼに植えられた稲が根付かないと除草作業で稲を倒したり抜いたりしてしまうため、こちらの希望通りにならない時もあります。そこで田植え3日前の植代が大事になってくるのです。荒代で一度草を減らした後、植代でもまた草を減らすことで、最初の除草作業に入れるまでの草をできるだけ抑えておくのです。

もう1つ草の生え方に影響するのが植代の時の水深です。田んぼの土が見えないくらい水をはり、水を混ぜるようなイメージで代かきをするとその後草が出にくいという農家さんが多く、私たちも作業をしていてそのように感じます。水がたくさんある条件で土を混ぜると、大きな(重い)粒の土は先に沈み、非常に細かい土はゆっくりと時間をかけて沈んでいき、その途中にある草の種が土でふたをされるからという話を聞きました。まだ試行錯誤中ですが、色々やりながら水深と草の出方の関係を調べていきたいです。

草の出る出ないは田んぼの場所や年度によって違いますが、一つの作業をするときはどうしたら草を抑えて稲が元気に育つかということを考えて行っています。作業とその後の田んぼの様子を合わせてどんな作業の仕方が良いのか考えるのは難しくもあり楽しい部分です。

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2017-01-23 | Posted in 田伝むしの農作業No Comments » 

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