田伝むしの農作業

農薬不使用ササニシキができるまで【塩水選】

田伝むしの農薬不使用ササニシキは、まず「良い種を選ぶこと」から始まります。

稲の種は前の年に収穫した籾で、それを「種籾」として使います。
この種籾は籾すりをすると玄米となって食べることができるもので、
ふだん私たちは稲の種を食べているとも言えます。
改めて考えると、たくさんの命をいただいてると有難い気持ちになります。

さて、この種籾は全てをそのまま種として使うわけではありません。
その中からさらに良い種を選びます。籾の中身がしっかり詰まっていて
種まきをした後に元気に育つ可能性の高い種です。

ここで行う作業が「塩水選」です。文字通り「塩水」で充実した良い種を「選ぶ」作業です。

1965659_281454332014299_971768697_o 塩を溶かして比重を重くした塩水に種籾を入れると、水の中に沈む籾と水に浮く籾が出てきます。
沈む籾は中身がしっかり詰まった重い籾で、浮く籾は小さかったり中身が無く軽かったりする籾なので、
沈んだ籾を種籾として使います。
発芽してから根を伸ばすまでの間は種籾に蓄えられたデンプンを栄養源として育つので、
デンプンが沢山ある重い籾は順調に成長する可能性がより高くなります。

うるち米だと塩水の比重は1.13が標準とされていますが、
田伝むしでは基準を厳しくし比重を1.15にして種籾を選んでいます。

「苗半作」という言葉があり、苗作りの善し悪しがその年のお米作りの半分を決める
と言われるほどお米作りでは育苗が大事にされます。
農薬不使用栽培ではもちろん農薬を使いませんので、稲自体に健康でたくましく育ってもらう必要があります。
そこで一番最初の栄養であるデンプンが十分に詰まった重い種を選んでいるのです。
2017-01-12 | Posted in 田伝むしの農作業No Comments » 

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